友を訪ねて何マイル?
またしてもだいぶ時間が空いてしまいました。本音は週一ペースで更新したいところですが…さて遡ること1年前、友人の一人がアメリカ東部の地方都市に1年半程度海外赴任することになりました。当時友人には生まれたばかりの娘がいたのですが、可愛い盛りの娘と奥さんと、海を隔ててはるか何千キロの彼方に離れ離れになってしまうのです。文化も言葉も違う新天地、色々な不安や寂しさも募ることでしょう。そこで、彼に会いにアメリカに行こう!という計画を共通の友人達と共に随分前から練っていたのですが、それがとうとう2017年3月に実現しました。今回はその時の記録を記事にしたいと思います。
目的地、航空会社の選定など
友人が取得できる休みの関係上(5連休以上取れない)、東海岸周辺での合流が最も合理的だという話から、目的地はラスベガスとなりました。これにグランドキャニオン遊覧プランやシルク・ド・ソレイユを組み込んでやると(友人手配)、2泊4日のツアーの輪郭が固まってきました。さて、満を持してここからは航空券の選定です。今回の旅行の企画会議で、唯一、そして最も僕がやる気を出したのがここでした(笑)。目的地:ラスベガスへ大阪、東京からアクセスするルートを探索すると、以下のサジェストが出ました。
1、(KIX→)NRT→アメリカorカナダ東海岸主要都市→LAS
2、KIX / TYO→GMP / ICN (→アメリカorカナダ東海岸主要都市)→LAS
何故か大韓航空が仁川からラスベガスへの直行便を飛ばしている、という事がちょっと驚きでした。かと言って他の航空会社は(例えばアシアナ航空やユナイテッド)就航していないんですね。昔はJALが成田から飛ばしていたそうですが、JALの撤退と入れ違いに大韓航空が入ったのだとか。ちなみに、定期便としてはBritish Airwaysもロンドンから、コンドル航空(あまり耳馴染みがありませんが…笑)がフランクフルトから直行便を飛ばしています。デルタが成田からの臨時便を飛ばすこともあるのだそう。
議論の結果、今回はアメリカン航空のエコノミークラス割引運賃「アメリカンドリーム7」にて以下のルーティングになりました(お値段約10万円程度)。
in:(KIX→)NRT→LAX→LAS
out:LAS→LAX→NRT/KIX
獲得マイル/FOPについては後半にて詳述します。ところで、アメリカン航空では窓際席、通路席、非常口座席、コンフォート席というちょっと座席の前後幅の広い(プレミアムエコノミークラス的な)座席を選択しようとすると、USD75=約8,000円の追加費用が必要になります。快適に過ごしたければ金を払え、という至極単純かつドライな主張なのですが、ワンワールドステイタス保持者(サファイヤ、エメラルド)は無料で指定できます。ありがたいですね。
【お約束】海外発券ビジネスクラスを検討してみる
実際にやる人がいるかどうかは別として、一旦本筋から脱線して当ブログでのお約束を消化しておきたいと思います。有名な海外発券地からラスベガスまで向かうビジネスクラス航空券の値段を検索してみました。
TPE:エアカナダ(YVR乗継)JPY334,290-
ICN:エアカナダ(YVR乗継)JPY385,065-
CAI:British Airways(LHR乗継)JPY239,840-
PRG:British Airways(LHR乗継)JPY274,840-
BUD:British Airways(LHR乗継)JPY242,970-
カイロ発券強し。CAI-LHR-LASは片道7,426マイルなので、往復で×2、ビジネスクラス積算で×1.25してやると、積算マイルは18,565マイル(獲得FOPも18,565FOPなので単価を計算すると12.92円/FOP。悪くない…いや、イマイチか?)。ちなみにダイヤモンド会員だとボーナスマイル100%積み増しですから合計37,130マイルを獲得できます(マイル単価6.5円)。でもブダペスト、プラハあたりも十分検討の余地有りな金額提示です。太平洋を超える路線とそうでない路線でワンランク値段が変わってくるのが興味深い点ですね。
アメリカ西海岸への渡航について
実は、今回の企画が僕にとっては初めての北米大陸でした。色々知らないことが多かったのでちょこっと調べて気付いたことをさらっと箇条書きにまとめてみました。
1、ビザは不要、パスポートは旅程帰着日まで
(+入国時点で90日以上の余裕があれば尚良し)
2、ESTA申請が必要(90日以内のビザなし入国)
3、ESTAは出発72時間前までに申請しておくべし
4、案外なんとかなる←
5、入国は厳しいけど出国はかなりあっさりしている(帰国編で詳述します)
昨今のテロ対策の影響で、渡航に対して厳しい視線が注がれています。しかしながら、所定の手続きをこなし、伝えるべきことを正しく伝えれば、大体の場合は別室送りや強制送還なんてことにはならないんじゃないかと思います(どうやら一部例外はあるらしいけれども)。そう言えば、中東航空会社の直行便に搭乗して米国へ向かう場合は機内にラップトップを持ち込んではいけないというルールが出来てましたね、Laptop Banなんつって。この手の展開に既視感を覚えつつも、取り敢えずルールとして決められてしまったものは致し方ありません。悪法もまた法なり、です。
何はともあれ、僕も一通り必要な物の準備を終え、当日の午前中に仕事を切り上げて(脱走し)、一路成田空港へと向かいました。それはもう楽しみ過ぎて、スカイライナーの中でウキウキでビール飲んでました。それがまさか、あんなトラブル祭りになるとは思ってもみなかったのです。
トラブル祭り
仲間たちと連絡を取ると、ジェットスターで関西空港を離陸する直前でした。僕はと言いますと、成田空港第2ターミナルのフードコートでラーメン食べながら待ちぼうけです。約1時間半後、アメリカン航空のNカウンター前で合流です。と、健康優良児のはずの友人Jがなにやら青白い顔をしてマスクをしています。出会い頭に一言。
めっちゃ体調悪い…
今回の旅行でシルク・ド・ソレイユ他観光プランを立案、予約してくれた友人Jが今にも崩れ落ちそうです。食あたりの疑いが濃厚で、薬も飲んだそうですが心配です。何とか平静を保てているようなので、取り急ぎカウンターの前で成長しつつある行列に参戦し、チェックインだけでも先に済ませることにします。約10分後、カウンター業務代行のJALスタッフに皆でパスポートを渡し、本日搭乗予定のAA170→AA1155:NRT→LAX→LASのチケットを発券してもらいますが…同行者の一人、友人Nの発券作業に何やら異変が。
N様、ESTAの申請がまだのようですが…
また、ご確認させていただきたいのですが、もしN様がご搭乗できないとなった時、他の皆様方だけでも出発されますか?それともキャンセルされますか?
皆様で御相談していただいて、はい…
一同騒然。GSさんが渡してくれた一枚の紙切れにはESTAのWebサイトアドレスが記載されていたので、ひとまず座席を確保したのちGoogleで検索して申請ページに遷移、大量のブランクを埋める作業に取り掛かります。iPhoneからの作業は非常に大変そうですし、気持ち的には何か手伝ってあげたいのですが何もできません。今回のパーティーの中で一番しっかりしている人間だと思われていたので、皆で口を揃えて「らしくないな」などと言って首を傾げておりました。残酷な話ですが、もし友人Nが脱落したとしても、残りの皆は行く、ということで方針を確認し、GSに報告します。こういう事も聞かれるんですね…
ESTA申請の件は、ちゃんと調べたり、経験者から事前に聞いておかないと分からないような周知方法になっているのでしょうか。ふと別のカウンターに目をやると、なにやら派手な格好の中年のおばちゃんがカウンターのGSに向かって「私は今日の飛行機に乗ってアメリカに行けるの!?行けないの!?」などと喚いておりました。多分同じシチュエーションなんだろうと思いますが、知っているのと知らないのとでは大違い、というのはまさにこの事でしょう。
原則的には出発の72時間前までに申請→認可がおりたのを確認してから発券・搭乗ということになっていますが、ここでぶっちゃけますと出発直前に駆け込み申請して、判定が審査待ちでも発券してくれますし、搭乗もできます。案外何とかなりますので、もしカウンターでESTA申請忘れに気付いても諦めないでください。よほど変なことを答えない限りESTA審査は通りますし、パスポート等の渡航に必要な書類をすべて揃えている限り、渡航は認められるはずです(それはもしかすると我々が日本人だから、という可能性もあるのですが)。それでも、事前に済ませておくのが最もスマートで気持ちいいんですけどね。
約20分後、搭乗開始時間15分前です。時間がなく、手荷物検査→出国手続きが混雑しているとのことで、僕と友人N以外の同行者は先にゲートに向かってもらうことにしました。もし残り時間が怪しくなっても、oneworld Emeraldがある僕が同行者として残ればファストトラックも使えます。友人Nが情報をWebサイトに送信したのを確認し、二人でもう一度Nカウンターに行き、僕の同行者権限で長々と並んでいる行列の横をすっ飛ばしてカウンターに到着します。
あ、これフィッシングサイトですね…
Googleの検索のトップに出てくるのがフィッシングサイトなんてことあるんですかね…どこか遠いところに行ってしまいそうな気持ちを何とか繋ぎ留め、取り敢えずカウンターの隅っこをお借りしてもう一度、今度は指定のURLに遷移し、もう一度順に空欄を埋めていきます。じれったい時間を超え、再度の挑戦が終わった事をGSに報告すると、どうやら審査待ちというのがAAの発券システムでも確認できたそうで、正式に認可はまだ下りていないものの発券にこぎつけることができました。もう一度言います。諦めないでください。
もう搭乗がはじまる時間です。ファストトラックを最速で通過し、自動ゲートをくぐって出国した後サテライトに向かってダッシュです。ゲート手前のムービングウォークで他の同行者たちと何とか合流、無事に搭乗→出発の流れへと至ることが出来たのでした。いやー危ない危ない。
次回予告
何とか離陸~ラスベガス観光編です(多分)。あと、プレミアムエコノミークラスで香港に行ってきました。