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上質な空の旅を求めて試行錯誤

特典航空券でファーストクラスに乗ろう(OneWorld編)

 特典航空券か、アップグレードか

 地上36,000ftの上空での贅をつくしたおもてなしと快適な空間、まさにTop of the Worldですね。想像しただけでも顔がにやけてしまいます。しかし通常、国際線ファーストクラスを普通運賃で買うととんでもないことになります。例えば、日本航空ファーストクラスで成田からニューヨーク(JFK)まで往復すると1,988,000万円。しかも日本の航空会社にはファーストクラスに正規割引運賃がありません。その上、マイルを貯めまくっていざ発券しようとしても、そもそもファーストクラス特典航空券枠などは非常に数が少ないですし、行きたいときに乗りたい便が取れる確率は非常に低い、というのが実情ですよね。

 

  私見ですが、「乗りたいときに乗る」に軸足を置いた場合、マイルによるビジネスクラスからのアップグレードしかないでしょう。ビジネスクラスからマイルを消費してアップグレードをした場合、マイル単価が跳ね上がることは聡明な皆様ならご存知のことでしょうが、先ほど例に挙げたNRT~JFKで考えると、ビジネスクラスでは約350,000円~約600,000円です。そこに往復78,000マイルを追加で支払うだけで1,988,000円の価値を生み出すので、マイル単価にして約17.7円~21円/マイルです。しかもステイタスを保有していればその大部分はビジネスクラス搭乗分+ボーナスマイルという形で還元されてしまうのですから、よくわからなくなってしまいますね。

 

 ところで、アライアンス提携航空会社間のマイル利用が可能なので、JALでためたマイルでワンワールド加盟他社のファーストクラスに乗ることもできる…というのは周知の事実です。前々回からの記事でお察しの通り、僕は個人的にアメリカに行きたくてしょうがないので、ここではニューヨーク(JFKを目指してみることにしましょう。通常、JALファーストクラスで行くと成田からニューヨークまで140,000マイル。マイル単価にすると14.2円/マイル、搭乗時間は約13時間~14時間です。

 

 しかしこれで満足しないのが僕です。せっかくファーストクラスに乗るのだからもっと長時間乗っていたい、もっとマイル単価を上げたいと思うのが貧乏人の性。卑しいような気もしますが、気にせずに探索を続けてみることにしました。

 

長く飛んでいる便を狙えばいいと言うものでもない

 まず最初に思い浮かんだのが、超長距離の直行便フライトを狙うことでした。世界で最も距離or飛行時間の長いフライトの中から搭乗できるものを探してみれば良いと思いましたが、思ったほどうまくいきませんでした。

 

 2019年現在の世界最長路線はシンガポール航空シンガポール(SIN)〜ニューヨーク・ニューアーク(EWR)線で、超長距離用A350-900ULRが就航しています。キャビンはプレミアムエコノミーとビジネスのみという奇特(世界最長距離&1フライト18時間と、通常のエコノミークラスでは負担が大きすぎるのでしょう)な構成で、ジェットセッターの中では話題のフライトです。

 

 試しに1ヶ月後の最安値を調べてみると、ビジネスクラス往復でSGD8116.90(=JPY665,585)となります(まあ妥当でしょうか?)。これをシンガポール航空クリスフライヤーマイルで発券するにあたり必要なマイル数を計算すると、セイバーアワードで198,000マイル…ということは、マイル単価は3.36円/マイル。アドバンテージアワードだと280,000マイルなので、2.37円/マイル…あれ、全然数字が良くないですね…これなら、スターアライアンス世界一周航空券の道中でこのフライトを選択するのが一番かしこい乗り方、ということになってしまいます。

 

155,000マイル:キャセイパシフィック航空ファーストクラスで行く香港経由ニューヨーク

 いろいろ調べて行きついたのは、やはりと言いますか、僕の中で好感度急上昇中のキャセイパシフィック航空でした。これだと思いました。同区間を通常価格で見積もると3,468,400円。さんびゃくごじゅうまんえん!世にも恐ろしい金額ですが、JALのマイルで特典航空券を発券しようとすると155,000マイルで済むうえに、香港でのストップオーバーも可能です。そして搭乗時間は通算18~19時間!多分、一番元が取れそうなのはこれのような気がします。マイル単価は23.5円/マイル。これ、かなり良いほうなんじゃないでしょうか。

 

 ちなみに、現行で世界最長の営業区間エミレーツ航空パナマシティ~ドバイ間のEK251/EK252の17時間35分、往復17,174マイルですから、こちらも負けず劣らずですが、金額にして1,950,000円=マイル単価にして12.58円/マイル。還元率からみればキャセイに軍配です。

 

 もうひとつの気になる対抗馬としては、カンタス航空QF7/QF8シドニー(SYD)~ダラス・フォートワース(DFW)が挙げられます。これも往復17,000マイル超の超長距離フライトですが、金額的には約1,290,000円と案外良心的(?)です。このためマイル単価面では8.3円/マイルとなりイマイチ。

 

 キャセイの価格設定がぶっちぎりで高いだけなんでしょうか。いずれにしても、この路線(キャセイのなかでは最長区間です)の空席を狙ってみることにしようと思います。ただ、仕事の休みがとれるかどうかが謎なので、続きはチケットが取れた時にお話しすることとして、今回はこの辺で。

 

次回予告

 JALはDiamond達成の内定をいただいていますので、今年は無理をして乗る必要はありません。前からやってみたかった乗り比べ企画ということで、次の大阪出張はANAのプレミアムクラスに搭乗してみることにしました。というわけで、次回はANAプレミアムクラス搭乗レポートになりそうです。