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上質な空の旅を求めて試行錯誤

【Tips】CXビジネスクラスの機材・座席を特定する方法

好きです、キャセイパシフィック航空

 オフホワイトのボディにライトブルーの帯。濃緑の垂直尾翼に伸び伸びと描かれたブラッシングウイング。そして数少ないスカイトラックス・ファイブスター・エアラインの一角。今回のお話は、世界をリードする香港の一大航空会社であるキャセイパシフィック航空の機材についてのお話です。僕の生まれて初めての海外旅行はキャセイでしたし、最近もキャセイビジネスクラスに搭乗してその良さを改めて認識したものでした。特にフランクなCAさんの接客スタイルが僕のお気に入りです。現在でも「次はいつ乗ってやろうかな…」などと虎視眈々と機会を伺っています(笑)。

 

  ところが、ここ最近ビジネスクラスの航空券を安価で手に入れるための手段をあれこれ検討しているうち、座席の違いにも目が行くようになりました。その過程で、特にキャセイパシフィック航空が運航する機材には、フルフラットになるリバース・ヘリンボーン型シートと、クレードルシートが混在していますHISのサイトから2つのビジネスクラスシートの画像を拝借してきましたので、ちょっと見比べてみましょう。 

 同じ値段で乗るなら俄然フルフラットシートのほうが良いに決まっています。せっかく乗るなら良いシートに座りたい。でもどっちが来るか分からない。これをどう切り抜けるか、というのが大きな壁として立ちはだかるのです。そんな課題を解決すべく、出来るだけ簡単に機材を特定する方法について検討したいと思います。もちろん日本線だけでなく、香港を経由して世界各地へのフライトに応用できる手段を考えます。

 

※1 キャセイパシフィック航空はしばしば機材変更が発生するので、ここで示した方法でも回避できない可能性があることを予めご承知おきください。なお、キャセイドラゴン航空についてはまだ縁がないので、ここでは省略させていただきます。

  

 キャセイパシフィック航空保有機材紹介ページを見てみると、シートマップ付きで機材の種別について掲載されています。B777-200B777-300A350-900A330-3003種類が紹介されていますね。話題のスタートに際して、これらの機材を良く知るところから始めましょうか。

 

CXB777ファミリーについてざっくりまとめ

 まずは、キャセイパシフィック航空の最大勢力であるB777ファミリーについてざっくりとまとめてみることにします。19977月に初号機である”B-HNA”を筆頭に−200型機が計5※2受領。1998年以降は胴体延長型の-300型機へとシフトし、これを12機受領。また、20079月からは長距離型改良版である-300ER型機へと切り替えられました。こちらは計53機も受領し、キャセイパシフィック航空における筆頭勢力となりました。

 

 内装は、-200型が2-3-2配列のリージョナルビジネスクラスシート+3-3-3配列のエコノミークラスの一種類のみです。これに対して、-300/-300ER型はバリエーションがあり、①-200型と同じ構成になっている73Zと呼称される機材、1-2-1配列のフルフラットビジネスクラスシート+2-4-2配列のプレミアムエコノミークラス、3-3-3配列のエコノミークラスの3クラスで構成され、77Gと呼称される機材、そして③1-1-1配列ファーストクラス+フルフラットビジネスクラスシート、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスの4クラス構成となっていて77Hと呼ばれる機材の3種類となっています。※3

 

 成田~(直行便・または台湾経由)香港線ではB777−300が導入されていますが、後述するA330−300型機と同様、リージョナルビジネスクラスシートの機材が使われているイメージです。しかし、羽田~香港線(直行)のうち1往復はファーストクラスが設定されており、機種が77Hで固定されています

 

 

 ※2 B777-300ERについては、呼称として77Wという表記が使われることが主ですが、今記事のテーマの関係上、現在のキャセイパシフィック航空での呼称を使用しています。

 

CXA350−900についてざっくり以下略

 老朽化したA340-300型機の後継機として選定された、言わずと知れた最新機材です。美しく反り返ったシャークレットとコックピット周辺の黒い隈取、流線型の表情からひと目でそれとわかるA350-900型機は現在も受領が続いており、今のところ営業就航しているのは6機のみ。しかしながら、フルフラットビジネスクラスとプレミアムエコノミークラスを当初から装備しており、機内Wi-Fiも導入済。今後も受領が続き、計22機を導入予定とのことです。359と表記されています。わかりやすいですね。また、少しテーマと外れますが、胴体延長型であるA350-1000型機も計26機を導入する計画だそうです(これの表記、どうするんだろうか)。

 

 今のところ、慣熟運転のために大阪~香港線にも導入されていますが、基本的には長距離線担当です。香港~ロンドン・ガトウィック線、カナダ・バンクーバー線等に充当されているようです。その合間を縫ってホーチミンシティ、バンコク、マニラ等の近距離線にも出入りしていますので、この辺も狙い所かも知れません。

 

CXA330-300について以下略

 続いて、キャセイパシフィック航空保有A330−300型機とその仕様についてです。19953月に初号機が導入され、現在では42機を保有し、最も在籍数の多いB777-300ER53機)に次いで二番目の勢力を誇っています(うち5機を子会社のキャセイドラゴン航空に貸し出しています)。

 

 もともとオールマイティーワイドボディ機ですが、その中でも①フルフラットビジネスクラスシート、プレミアムエコノミークラス、2-4-2配列のエコノミークラスの3クラスを装備しているのが33Kと呼称される機材です。次いで、ビジネスクラスは33Kと同様ですがプレミアムエコノミークラスが装備されていない33Eと呼ばれる機材、そして③中~近距離向けであり、2-2-2配列のリージョナルビジネスクラスシートとエコノミークラスの2クラスが装備されている33Pと呼ばれる機材が就航しています。日本~香港間に就航しているA330−300型機の多くは33Pですが、時々33K33Eが充当されていることがあります。

 

機材特定方法のおおまかな指針について

 ここまでキャセイの機材についてあれこれ記述してみましたが、キャセイパシフィック航空Webサイトで航空券発券の操作をして、座席指定のページにたどり着けば機材が何であるかはいずれ知ることが出来ます。しかしそれは非常に面倒くさいのでやりたくありません(支払操作直前、手順としてはかなり後半のはず)。あれやこれやと項目を入力した挙句にリージョナルビジネスクラスシートの便を選択していたと判明した時の落胆を想像すると僕は正直耐えられそうにありません。なので、今挙げた機材の特徴を元に検索することで時間の短縮を図ってみようと思います。

 

 まずは一番ラッキーなパターン。搭乗したい日時を入力してビジネスクラスで検索をかけたあと、表示された候補の中から乗りたい便の「詳細を見る」をクリックして、機材の項目にB777-300ERA350-900と表示されていたら、間違いなくフルフラットビジネスクラスです。あれ、何だか身も蓋もない説明になってしまいましたね

 

 では、先述の2機種ではなくA330-300と表示された場合はどうするか。これらにはリージョナルビジネスクラスシートが含まれていますので、一旦立ち止まって上に挙げた機材の特徴を思い出してみましょう。カンの良い人ならばもうお分かりのことかと思います。

 

 そうです。プレミアムエコノミークラス設定便です。前回の記事で国際線プレミアムエコノミークラスについて書きましたが、こんなところにも応用できるようです。つまり、プレミアムエコノミークラスがある=必ずフルフラットビジネスクラスシートが装備されている、ということです。試しに、様々な機材が入り交じっている東南アジア中距離圏のフライトを検索することにしてみましょう。旅費を安く抑えたい、という願望もあるので、ここは以前からお話していた韓国発券を取り入れて、シンガポールを目指す旅程を検索してみます。

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 キャセイパシフィック航空Webサイトで、調べたい旅程の出発地・目的地、日程を入力し、座席クラスはプレミアムエコノミークラスを選択して検索します。すると、最安価格の他に、高めの価格、そして青く着色され「ビジネスのみ利用可能」と記載された価格表示が出てきますが、この機材はフルフラットではない可能性が高いので一旦無視します。最安価格で提示されている候補の便名を頭に入れておいて、改めてビジネスクラスで検索しなおして出てきた候補の中から先程と同じ便を選択※4して購入すれば確実にフルフラットビジネスクラスシートを手配できます。

 

 ※4 ブッキングクラスの関係でしょうか、プレミアムエコノミークラスで検索したときにヒットした便名がビジネスクラスで検索したときに候補として表示されないことがあります。理由は明らかになっていません。

 

最終手段

 そして最後に、機材がA330-300と記載されており、プレミアムエコノミークラスが設定されていない便しか出てこなかった、という場合についての話です。こればかりはキャセイパシフィック航空Webサイト上では簡便に判別する方法がありません。これには僕も少し困りましたが、何とかそれらしき方法を発見できたようなので記載しておきます。

 

 1Expediaを利用する方法

 2、アプリ版Skyscannerを利用する方法

 

 まずExpediaを利用する方法についてですが、これはキャセイパシフィック航空Webサイトで項目をどんどん入力して進んでいき、座席指定のページに辿り着くやり方と変わりません。ただ、キャセイパシフィック航空Webサイトよりも時間がかからず、座席指定ページに到達できます。

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 旅行者情報を入力するページで、「次へ進む」ボタンの上に座席のご希望、フリークエントフライヤーなどというリンクがあるのでクリックし、座席を選択するボタンをクリックすると座席表が表示されます※5。そこで、1-2-1配列の表示になっていればフルフラットビジネスクラスシートです。

 

※5 これも理由が分かりませんが、「座席指定する」のボタンが表示されないことがあります。(おそらくブッキングクラスの関係だと思いますが

 

 次に、アプリ版Skyscannerを使う方法です。希望の日程を入力し、座席クラスをビジネスに設定して検索すると、いくつかの候補が表示されますが、色々入り混じっていて見にくいので、まずはフィルターを掛けてキャセイパシフィック航空だけを表示させます(絞り込み→航空会社→キャセイパシフィック航空以外すべてOFF)

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 それぞれの候補を吟味していくと、フルフラットポッドまたはクレードルリクライナーという記載が表示されます。フルフラットポッドと表示されている便を選べばOK。簡単ですね!しかし、この座席の種類を表示する機能はPCサイトでは何故か装備されておらず、Skyscannerアプリでのみ利用可能です(なんで…?)。また、座席情報が表示されない場合も確認されていますので、この方法も万能というわけではなさそうです。

 

 僕が調べた範囲ではこれが精一杯でした。他にもこんなやり方があるよ、という方がいらっしゃったらお教えいただけると非常にありがたい。色々と癖(?)があるキャセイパシフィック航空ですが、キャセイ愛好家がもっと増える事を祈って、今回の記事を締めくくりたいと思います。

 

次回予告

 今度こそAAで行くラスベガス旅行記になるはずです(汗)。